一穂ミチさんの「恋とか愛とかやさしさなら」という小説を知っていますか?2025年の本屋大賞にノミネートされた話題作のひとつです。
そこで今回は、「恋とか愛とかやさしさなら」のあらすじや注目ポイント、登場人物について紹介します。
話題作を読んでみたいという人の参考になったら嬉しいです。
\この記事で紹介する小説/
徹底解説!「恋とか愛とかやさしさなら」はどのような作品?
最初に、「恋とか愛とかやさしさなら」のあらすじや作者、基本情報を紹介します。
「恋とか愛とかやさしさなら」のあらすじ

「恋とか愛とかやさしさなら」のあらすじは、以下のとおり。
プロポーズされた翌日に、恋人が盗撮で捕まった。
カメラマンの新夏(にいか)と啓久(ひらく)は、交際5年目。東京駅の前でプロポーズされて、これから幸せな生活が待っていると思っていた。
しかしプロポーズの翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、2人の関係は一変する。
出来心でやってしまったと話す啓久。「2度としない」と誓う啓久を新夏は許せるのか…!?
性犯罪を犯した本人・性犯罪者の家族・性犯罪の被害者の視点で物語を進んでいきます。

もし自分だったら恋人の過ちを許せるのか、考えさせられる作品でした。
「恋とか愛とかやさしさなら」の作者


「恋とか愛とかやさしさなら」の作者は、一穂ミチさんです。2007年に「雪よ林檎の香のごとく」でデビューを果たし、60作品以上を発表している小説家です。
BL(ボーイズラブ)を中心にファンタジーやSF、ミステリーなど幅広いジャンルの作品を手がけています。



読みやすい作品が多いので、読書をあまりしない人にもおすすめした作家さん!
「恋とか愛とかやさしさなら」の基本情報
題名 | 恋とか愛とかやさしさなら |
著者 | 一穂ミチ |
出版社 | 小学館 |
ページ数 | 240ページ |
発売日 | 2024年10月30日 |
価格 | 1760円 |
auidible (聞く読書) | 対応 |
「恋とか愛とかやさしさなら」は、audibleで聞くこともできます。
活字を読むのが苦手な人は、朗読した音声が聴ける聞く読書を活用するのもおすすめです。
\「恋とか愛とかやさしさなら」を音声で聞く/
「恋とか愛とかやさしさなら」の注目ポイント
ここからは、「恋とか愛とかやさしさなら」の注目ポイントを紹介します。
注目ポイント①愛と許しの葛藤


「恋とか愛とかやさしさなら」の注目ポイントは、愛と許しの葛藤が描かれていることです。
「新夏は啓久の過ちを許せるのか?」という点が、この物語での大きな鍵を握ります。物語中で彼を許すべきか葛藤する新夏の姿が印象的です。
彼を愛していながらも許せない自分、そして被害者の姿を想像して苦しむ姿はとても考えさせられます。
「信頼とはなにか?」「許すとはどうすることか?」という問いに対して、自分と向き合わされる1冊です。
注目ポイント②性犯罪に関わる人物を描いている


「恋とか愛とかやさしさなら」は、性犯罪に関わる人物それぞれの視点で物語が進みます。
- 加害者:啓久
- 加害者の家族・恋人:啓久の母・啓久の姉・新夏
- 被害者:小山内莉子(女子高生)・啓久の姉
「被害者が抱える見えない傷」や「加害者のその後の人生」などについてもリアルに描かれています。
ときに間違いを犯すひとりの人間として、出来心によって犯した罪の大きさについて考えさせられる作品です。
注目ポイント③2025年本屋大賞ノミネート作


2025年本屋大賞のノミネート作であることも、「恋とか愛とかやさしさなら」の注目ポイントです。
本屋大賞とは、書店員の投票によって決まる文学賞。書店員が「いま売りたい本」を選ぶということもあり、話題作のひとつです。
話題になる作品はなにかしらの理由があるはず。話題作はとりあえず読んで試したいという人にもおすすめの1冊です。
2025年本屋大賞ノミネート作について詳しくはこちら
.jpg)
.jpg)
「恋とか愛とかやさしさなら」の重要人物


ここからは、「恋とか愛とかやさしさなら」の重要人物を紹介します。



物語の鍵を握る人物をピックアップして解説!
関口新夏(せきぐちにいか)
主人公・関口新夏は、カメラマンで年齢は30歳。報道カメラマンの父と2人暮らしをしながら、自身も写真家としての活動を続けています。
彼氏の啓久からプロポーズを受けて、幸せな未来が待っていると思っていました。しかし、啓久の盗撮事件により彼女の人生は大きく変わってしまいます。
「新夏は啓久の過ちを許すことができるのか」が物語の大きな注目ポイントです。
神尾啓久(かみおひらく)
神尾啓久(かみおひらく)は、新夏の恋人です。新夏にプロポーズした翌日、出来心から女子高生を盗撮してしまいます。
物語では、彼(加害者)の視点で性犯罪について描かれています。物語の鍵を握る人物のひとりです。
啓久の母
啓久の母は、息子の犯罪に対して軽率な態度を見せる人物です。示談が成立したことを「一件落着」として明るく振る舞います。
啓久の行為に対して深く思い悩む新夏と対照的な反応を示す様子が描かれています。加害者の家族の在り方を象徴する人物です。
真帆子:啓久の姉
真帆子は啓久の姉であり、性犯罪の被害を受けた過去をもつ人物です。啓久の行為を厳しく責め立て、新夏に対して別れるように助言します。
物語では真帆子の視点で、加害者家族の苦悩や被害者としての在り方が描かれています。
葵:新夏の友人
葵は、新夏の友人です。新夏が啓久と別れるべきか悩んでいることに対し、「別れるのはもったいない」とアドバイスします。
新夏と啓久が別れるべきか、罪を許すべきか、意見が分かれるなかではっきりと意見を述べる彼女。そんな彼女の言動は、物語に刺激を与えます。
小山内莉子
小山内莉子は、啓久の盗撮被害に遭った女子高生。彼女と啓久の関係は、「許し」と「償い」について描かれています。
性犯罪の被害者である彼女の視点は、物語のなかで重要なポイントのひとつです。
「恋とか愛とかやさしさなら」をおすすめしたい人
- 恋人に対して許せないことがある人
- 性犯罪がテーマの作品を読みたい人
- 話題作を読みたい人
恋人に対して、好きだけれど許せないところがある人に読んでみてほしい作品です。盗撮をした啓久の気持ちを理解しようと、奮闘する新夏の姿に共感できるかもしれません。
また、「恋とか愛とかやさしさなら」は2025年の本屋大賞にノミネートされた話題作。大賞を取るのか、注目が集まっている作品です。いま話題の作品を読んでみたいという人にもおすすめです。(2025年3月現在)
「恋とか愛とかやさしさなら」の感想
自分だったら、恋人の過ちを許せるのだろうかと考えさせられる1冊。
好きだから許したいのに、恋人がおかした行動に理解ができない…。必死に理解しようとする新夏の姿に苦しくなりました。
性犯罪に限らずどんなに愛していても相手の理解できない部分って、ひとつやふたつはあるはず。それを許すのか許さないのか、問われているように感じた作品。
まとめ


今回は、「恋とか愛とかやさしさなら」のあらすじや注目ポイント、登場人物について紹介しました。性犯罪について考えさせられる1冊です。
また、2025年本屋大賞にノミネートしている話題作でもあります。いま話題の作品を読んでみたい人は、ぜひ手に取ってみてください…!
\今回紹介した小説/
\あわせて読みたい/
一穂ミチの作品「ツミデミック」についてはこちら
-2.jpg)
-2.jpg)